今日は一日中雨だったけど、洗濯物は家の中でしっかり干しました!
今日はマッシュルームスープを作ってみました。とっても美味しかったです!
2026年9月7日(月)なぜ認知症の人は家に帰りたがるのか
恩蔵 絢子&永島 徹 p122〜p142
図8:海馬の役割
HMさんは、海馬を切除した後の出来事は、覚えられなくなった。しかし、切除する前の、例えば、子供の頃で出来事は覚えていた。
昔の宣伝的記憶は、大脳皮質に蓄えられているが、ゆえに、アルツハイマー型認知症で、海馬が萎縮しても、大昔の出来事の記憶は無事なのである。
海馬を手術で切除しても、昔の事ははっきり覚えていて、それを語ることができる。アルツハイマー型認知症の初期の人は、海馬を全て切除してわけではないし、少し萎んだところがある程度なので、HMさんよりも症状が軽いはずです。だから当然、アルツハイマー型認知症の人の中にも昔の出来事は
鮮やかに残っているのです。
昔からの習慣をアシストに活かす
海馬の萎縮のせいで、今の出来事が、覚えにくければ、今の印象はぼんやりしてしまいます。だからこそ、アルツハイマー型認知症の人は、鮮やかな昔の記憶に頼りがちになります。
今よりも、昔の方が鮮やかなので、繰り返し昔の出来事を語るのです。
例えば、戦争中の出来事は、恐怖など感情が強く動いた記憶なので、鮮明に覚えていて、そのことを繰り返し語ることがあります。
繰り返し語ると言う事は、いかにその出来事がその人の人生において重要だったかを示しています。
つまり、繰り返し言うことやする事に、その人らしさが表れているのです。アルツハイマー型認知症では、今が不確かになる分、昔に商店が当てられ、これまでその人が人生で大事にしてきたことが見やすくなる側面があります。
事例01で大脳基底核や小脳の司る、体の記憶について説明し、繰り返し体でやってきたことを忘れないと申し上げましたが人生の中で、大事だった昔の記憶や、繰り返しやって、身に付けてきた体の習慣は、アルツハイマー型認知症になっても残っていると言うことなのです。
職人さんのために食事を用意することをずっとやってきた。これがあきさんが今でもお米を大量に炊いてしまう理由です。
あきさんにとって、その頃が1番輝いていった時期なのかもしれません。
多くの人の面倒を見て、自分が輝いていた頃の記憶を思い出して、自信を取り戻そうとしているのです。
娘さんの報告によれば、プライドが高く、施設に通うことが難しいということでした。ならば、対策は、実際に誰かの面倒を見ることで、あきさんの自信を回復させることかもしれません.。例えば、施設で亜希さんに、お料理当番など、何かの役割を担ってもらうのはどうでしょう。
役割ができることで、楽しく通えるようになるかもしれません
昔の習慣に、現在の1見不思議な行動の期限があるのです。
アシストポイント
何度も同じことをしてしまったら・・・・
後始末ではなく、先に交渉(調整)する、という発想転換が大事です。
ご本人の思い
一生懸命やっているのに。
何度もお米を炊かれたら、この大量のご飯をどうするつもりと言ってしまうでしょう。そう言われた。本人はへそを曲げ。
家族は本人ができることであっても、その後の始末が大変だから、自分たちでやってしまうようになりがちです。
このままでは、ご本人の自信はほとんどなくなり、不安定になってしまいます。
アシストポイントは、その人らしさを暮らしに生かしていくこと。後始末ではなく、先に交渉(調整)する、と言う発想転換が大事です。
この事例で言えば、アキさんに
炊飯係を担っていただいてはどうでしょう。1階に炊いて欲しい。米の分量を紙に書いて貼って、おいたり、炊いていいだけのお米を小袋に分けておくなどの環境調整をしてみては。奥さんは安心して、気持ちよく炊飯器係りが担え、娘さんも炊いてもらってよかったと思えるためのひと工夫です。
事例07
なぜ、同じものを、いくつも買ってしまうのか。
芳絵さん
夫を3年前に看取ってから、一人暮らしの芳絵さん。旅行が大好きで、80歳を過ぎても海外旅行に行くほどでした。娘さんは週末になると実家に帰省し、細々としたことを手伝ってきましたが、旅行に出かける間際になっても、荷物の支度ができていない状況に母の変化感じ、専門医を受診、そこでアルツハイマー型認知症の診断を受けました。
もともと、健康志向で、食事の材料等にもこだわっていた。芳絵さんは、定期的に注文する宅配を利用していました。
しかし、だんだん台所に所狭しとなり、食材や健康食品が増えてきました。同じものがいくつも買いたされており、娘さんが注意すると、自分のお金で買っているのだから、構わないでしょうと聞く耳を持たないのでした。
脳科学からの解説。
自由と管理のバランスが問題。
事例05で述べたように、アルツハイマー型認知症になるとBIG5の解放性は下がりやすいことが知られているのですが、意外と、一人暮らしをしている認知症の人は、家族に遠慮したり、家族と比べて自分の能力を低いと感じたりしないで済むので、自由が守られ、その人らしさが発揮されやすいところもあるようです。芳絵さんも、健康志向なところは変わらず、いまだに、自分で宅配を利用して、一人暮らしをしているとのことです。
しかし、何を買ったか、自分で管理がうまくでき無くなっていて、同じものがたくさん届いてしまうことがあるようです。
皆さんも、いつも使っている商品や好きなものは切らさないように、そろそろかなと思ったら、買い足していることでしょう。
そのそろそろかなの見積もりを、記憶力や注意力に問題がある。アルツハイマー認知証の人の場合、間違えてしまうことがあるのです。
家族としては、なんでこんなに同じものばかりあるだろう。お金が大変なことになるのではないか。と心配になってしまうかもしれませんが、
ご本人の自由をどれくらい安全を確保するか、自由と管理のバランスが問題です。
今の状況を正しく認識して、その場に合った判断を下すことが難しくなっているアルツハイマー型認証の人の身の安全や、経済的な安全を保つには、見守る他者が必要かもしれません。しかし、安全ばかり考えていて、ついつい全てを禁止してしまったら、せっかく残っている好奇心が損われてしまうことになります。
安全を優先して、世界を限ってしまう事は、ストレスを生む。
そもそも、生き物は、新しい世界の探索と既知の資源の利用とのバランスを取りながら暮らしています。
例えば、ある場所に餌があると知っていて、そこに行けば確実だからといつも同じ場所ばっかり通い続けていると、ある時、環境が急変して、その場所の資源が枯渇すると、餌が取れなくなって困ってしまいます。
だから、ここにいれば安心ということがわかっていても、何かあったときのために、少しは他の環境も探索しておかなければなりません。
安全を取るか、冒険を取るか、これは生き物にとって普遍的な問題なのです。(図9)
図9:安全を取るか、冒険を取るか
安全な世界に位置づける(既知の報酬の利用)と、未知の世界の探索のバランスを生き物は常に考えている。
新しい世界を全く探索しない事は、生き物として衰弱になる。人間においても、このバランスが取られず、同じ場所だけにいて、新しい
刺激が全くないと、精神にも重大な人影響が現れる。
認知証になったからといって、あなたの世界はここです。ここが安全ですから、ここから出てはいけませんと世界を限ってしまう事は、いくら安全だからとは言え、ストレスを生む原因になります。
百獣の王と言われるライオンでは、このような話は知られています。動物園でライオンに毎日好きな餌を与えるとします。
係がらいおんのためだと思って、決まった時間に決まった場所へ、1番好きな動物の肉を置いてあげる。そうすると、意外なことに、らいおんはストレスを抱えて檻の中をウロウロ歩き回ったり、体を掻いてはげを作ってしまうようになります。
ライオンは本来、お腹が空いたら今日はどんな餌にありつけるかと、広い大地を探索するものです。ある日は、全く餌がとれないかもしれないし、
好きではない動物の肉にしかありつけないかもしれない。そんな何に出会うか全くわからない中で狩りをしています。それが自然であり、ライオンの喜びを作っているのです。
毎日、確実に好きな餌が食べられることがライオンにとって良い訳ではなく、何も食べられないかもしれないけれども、自由にかけまわって、自分で探せることが、ライオンの幸福には重要だということです。ウロウロしたり、体を引っ掻いたりするのは、そこには十分な広さと新しさがないと言うことを意味します。
人間も、動物であり、根本的には同じなのです。
お金がなくなってしまうし、同じものがあって、無駄だからと買い物をさせてもらえない。あるいは何のために家を出たのか、目的を忘れて、道に迷うと困るから、と鍵をかけられて外に出られないようにする。
そうすると、認知症の人は、自分で自分のエネルギーを使う場所がなくなってしまいます。
対策としては、過剰に守らないことです。使っても良いだけの金額を決めておく。失敗はできる分のお金も少しだけ用意しておく。ご本人の自由を確保する。
しかし、あまりにも買い物の量が増えて、お金がなくなりた所のスペースもない、と言う状態になってしまったら、今度は家族の自由が犯されてしまうので、いくつか定期注文を解約する。そうやって、お互いの自由が守られる範囲を検索していくことが大事になります。そして、適切な介入の量を探っていくことによって、長く一人暮らしを続けていくことが可能になるのかもしれません。
アシストポイント
同じものをいくつも買って(注文して)しまうようになったら・・・・
役割交代ができるよう、声の掛け方を変えてみましょう
ご本人の思い
そんな言い方は無いでしょ!
同じものが積まれていたら、もう買わないでと注意したくなるもの。けれど、ご本人にとっては、たくさんものがあると言う事実よりもそんな言い方はないでしょうと、言葉掛けに腹を立ててしまいます。その結果、自分のお金で買っているのだからとなってしまいます。この状態が長く続くと、周囲に対して被害的になってしまうことも・・・・
アシストポイントは、あなた自身の声かけを見直すこと。目の前の状況から、相手の思いに視点を移した声掛けをしましょう。
例えば、こんなわかりにくい注文の仕方ないよね。これからずっとやっていたなんてすごいね。ご本人の苦労、ねぎらうのも1つの方法です。
その後に、今度私にもやらせてみてと声をかけると、注意ばかりする人から、自分を助けてくれる人にチェンジできます。
注文する役割を自然に交代できるような声掛けをしてみましょう。
事例08
なぜ、家に帰ると言うのか。
市司さん
認知症の人は、家族に遠慮したり、家族と比べて自分の能力を低いと感じたするので、使っても良いだけの金額を家族が本人にあげて自由を確保してあげて下さい。田中 深雪
